ゴミの出し方が分からない!? アメリカ生活で一番最初に戸惑ったこと

海外生活を始めて最初に直面する“文化の違い”は、実はとても身近なところにあります。その一つが「ごみ出し」や「公共サービスの利用方法」。

私たち家族がアメリカで新生活を始めた当初、最もストレスを感じたのがこの領域でした。日本とは常識がまったく異なり、「こんなことで困るなんて」と思ったほど。この記事では、私たちが実際に経験した戸惑いと、その後どう対応していったかを、リアルなエピソードを交えてお伝えします。

初めての“ごみ収集カレンダー”に衝撃

曜日も出す場所も決まってない!?

日本では「月・木が燃えるごみ、水曜がプラ、金曜がビン・カン」など、分別と曜日がきっちり決まっていますよね。しかし、アメリカではなんと、市や地区によって分別ルールも回収曜日もバラバラ

私たちが住んでいる地域では、

  • 月曜:Trash(可燃ごみ)
  • 水曜:Recycle(リサイクル)
  • 金曜:Yard Waste(庭の落ち葉・芝など)

というスケジュールでしたが、それも自治体のWebサイトをチェックしないとわからない。

引っ越して最初の週、ゴミ袋をアパートの外に置いたままにしていたところ、カラスやリスに荒らされて大惨事に。日本のようにごみ収集所やネットもなく、ゴミ箱(Bin)に入れておかないといけないとは知りませんでした。

ゴミの分別が「ゆるい」のか「違う」のか

Recycle(リサイクル)の対象が意外すぎる

たとえば、

  • 牛乳パック:日本では紙パックとしてリサイクル、アメリカではプラスチックに分類
  • ピザの箱:日本では可燃ごみ、アメリカでは汚れてなければリサイクル可
  • ペットボトル:キャップ・ラベルをつけたまま出してOK

しかも、プラスチックの種類ごとに番号(♳~♹)が記載されているのですが、「♵は不可」など細かい条件があり、最初は一つひとつ調べながら出していたので本当に疲れました。

ごみ箱の出し方にも“ローカルルール”が

我が家のアパートには、青・緑・黒の巨大なビンが配られていました。

  • 青:Recycle(リサイクル)
  • 緑:Yard Waste(落ち葉・芝など)
  • 黒:Trash(その他)

それぞれ前日の夕方以降に出して、当日夜には片付けるというルールがあります。近所の人たちの様子を見て学ぶしかない部分も多く、「誰かが出したのを見てから出す」スタイルで最初は乗り切りました。

ビンが道路をふさぐトラブル

ある日、黒いゴミ箱を道路の真ん中に出してしまい、翌朝に回収車が止まれず、注意の張り紙をされてしまいました

「歩道に置かず、道路に出さず、ドライブウェイに沿って並べる」といった細かい指定も、ルールブックには書いていなかったため、完全に経験から学ぶしかありませんでした。

大型ごみ(Bulk Pickup)は事前予約制

引っ越し後に出た段ボールや壊れた家具など、日本では「粗大ごみ」として有料チケットで処理していましたよね。アメリカでは、Bulk Pickup(バルク・ピックアップ)というサービスを利用します。

自治体のWebサイトでアカウント登録→回収予約→日時を指定して置く、という流れ。これを知らずに無断で出してしまうと、警告書が郵送されるケースもあるので要注意。

体験談:段ボールの山を不法投棄と間違えられる

私たちは段ボール20箱分をまとめて出していたのですが、Bulk Pickupの申請を忘れており、翌日には「通報されたので処理してください」という連絡が。結局、自己負担で処分場に持ち込む羽目になりました。

水道・ガス・電気の契約も勝手が違う

すべて自己契約、しかもオンラインのみ

日本では引越し時にまとめて連絡し、引込工事もスムーズに行われるケースが多いですが、アメリカではすべての契約を自分で行う必要があります

私たちは以下のように分けて契約しました:

  • 水道:City Water Office(市のWebサイト)
  • ガス:PG&E(カリフォルニア州の場合)
  • 電気:同上

いずれもWeb上で住所・ID番号・口座情報を登録。英語でのやりとりになるため、Google翻訳を使いながら一つひとつ進めました。

電気が通らず、冷蔵庫が使えないトラブル

最初に契約したはずの電気が開通しておらず、引っ越し初日から冷蔵庫が使えない事態に。問い合わせたところ「書類に不備があった」とのこと。

このとき、「英語で電話できないと本当に詰む」という事実を痛感。現地の友人に助けてもらい、何とか再申請→翌日に開通となりました。

郵便・宅配の仕組みも全然違う

郵便ポストは「集合型」+「自宅前に置くだけ」

私たちのアパートでは、郵便ポストは1か所にまとめて設置されており、鍵付きのボックスで受け取ります。宅配便(AmazonやUPSなど)は、自宅のドア前に置くだけの「置き配」スタイル。

雨が降った日には、段ボールがびしょ濡れになっていたこともあり、玄関に簡易シェルターを自作する羽目になりました。

現地のマナーや習慣は“人に聞く”が一番

ご近所さんとの会話が最大のヒント

正直、Webサイトの説明だけでは限界があります。ごみ出しの時間やビンの置き方など、実際にご近所の人に聞いてみると、意外と親切に教えてくれます

「ごみのこと聞くなんて失礼かな?」と最初は躊躇しましたが、「最初だからわからなくて」と言えば皆さん優しく教えてくれました。

最後に:文化の違いは生活の中にある

アメリカ生活で感じた文化の違いは、言語や仕事以上に、日々の生活インフラやマナーの部分にありました。

ごみ出し一つで怒られるなんて思いもしなかったし、水道や電気の契約にここまで時間がかかるとは想像していませんでした。でも、そうした戸惑いこそが、海外生活をリアルにする要素でもあります。

もしこれからアメリカで暮らす方がいるなら、最初から完璧を目指すのではなく、「学びながら慣れていく」スタンスで取り組むのが一番です。この記事がその一歩になれば幸いです。

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