調味料はどこで買う?何を代用?アメリカ暮らしで食を守るリアルな知恵

海外生活で日本人がまず恋しくなるもののひとつが「日本食」です。なかでも、お味噌汁やおにぎり、しょうゆの香り……。それらが日常にないだけで、思った以上に心細くなったり、子どもが食欲を失ったりすることも。

私たち家族がアメリカに引っ越してから、どのように日本の調味料や食材を手に入れ、食生活を整えていったのか。実際の体験談を交えながら、具体的な購入先や工夫、失敗談までお伝えします。

引っ越し初日、日本の味が恋しくなる瞬間

アメリカに到着した日、長時間のフライトと時差ボケで家族全員ぐったり。そんなとき、子どもが「お味噌汁が飲みたい」とポツリとつぶやいたのを今でも覚えています。

その瞬間、「あ、これは甘く見ていたな」と反省しました。現地の食材でしのげると思っていたけれど、慣れ親しんだ味があるかないかで、ストレスはまったく違うのです。

現地で日本食材を買える店はどこ?

1. 日系スーパー(Mitsuwa、Marukai、Nijiyaなど)

アメリカの都市部には、日本人向けのスーパーが複数存在します。私たちが最もよく利用したのは、Mitsuwa Marketplaceでした。

  • しょうゆ、味噌、みりん、米酢など主要な調味料はほぼ揃う
  • 魚の切り身やお刺身、納豆、豆腐も冷蔵で販売
  • インスタント味噌汁やカレー、ラーメンも豊富

最初に訪れたときは、価格の高さに驚きました。たとえばしょうゆ1本が$5〜8、日本の2〜3倍することもあります。でも「ここでしか買えない」と割り切って、まとめ買いしています。

2. 韓国系スーパー(H Mart、99 Ranchなど)

日本の調味料はなくても、近い味の代用品が安く手に入るのが韓国・アジア系スーパーの魅力。

  • 醤油→韓国の「진간장」や中国の「生抽」が似た風味
  • 白だし→韓国の「だしだ」も使い方次第で応用可
  • お米→韓国産の中粒米やカリフォルニア米が安価で入手可

また、野菜(大根、白菜、ネギなど)や豆腐、乾物類も比較的安く手に入ります。

3. Trader Joe’sやWhole Foodsでも手に入る

アメリカのオーガニックスーパーにも、一部の和風食材が置いてあります。

  • 白味噌、赤味噌(Miso Paste)
  • 有機しょうゆ(Soy Sauce)
  • 寿司用の酢飯セットや海苔

おしゃれなパッケージですが、日本人の味覚にも合うものが多く、特に味噌スープの素は重宝しました。

オンラインショップを活用する

日系スーパーが近くにない地域では、オンライン購入が生命線になります。

使っていたサイト:

  • Amazon.com(米国版):調味料・乾物・レトルトが充実
  • YamiBuy、Weee!、UmamiCart:アジア系食品に強い
  • 日本食材.com(NipponFood, Marukai eShopなど)

送料がかかる場合もありますが、「2ヶ月に1回まとめ買い」と決めておくと、効率よくストック管理できます。

日本から持参してよかったもの・後悔したもの

持ってきてよかったもの:

  • だしパック(かつお・昆布):軽くてかさばらない
  • ふりかけ・のりたま系:子どもが安心する味
  • インスタント味噌汁・カップラーメン:疲れているときに本当に助かる
  • 白だし・めんつゆ:アレンジしやすく、万能

持ってくればよかったと後悔したもの:

  • 味噌:現地で買うと種類が少なく高い
  • 片栗粉:現地では“Potato Starch”や“Tapioca”で代用可だが微妙に違う
  • 計量カップ・スプーン(日本のml単位):現地のはoz単位なので感覚がズレる

家庭での再現レシピと工夫

だし不要の簡単味噌汁

  • 豆腐とワカメをお湯で煮て、白だしと味噌を溶くだけ
  • ネギや野菜は冷凍でもOK
  • お椀がなくてもマグカップで代用可

すき焼き風炒め

  • 牛肉と玉ねぎを炒めて、砂糖+しょうゆ+みりんで味付け
  • 白だし少々でコクがアップ
  • すき焼き鍋がなくてもフライパンで充分!

寿司風ちらしライス

  • 米+すし酢+海苔+卵焼き+カニカマ
  • サーモンやアボカドを加えれば見た目も豪華

現地の食材を“和風”にアレンジするコツ

現地の食材でもちょっとした工夫で日本の味に近づけることができます。

  • 鶏むね肉→照り焼き風にしてお弁当にも使える
  • ズッキーニ→味噌炒めにするとナスのような仕上がりに
  • アボカド→醤油+わさびで即席おつまみに
  • ターキー→しょうゆ+みりんで和風ハンバーグに

食材の置き換えに慣れると、「これはこうすればいける」と柔軟に対応できるようになります。

最後に:和の味が家庭をつくる

海外生活では、言葉や文化の壁もありますが、「食の安心感」は心の支えになります

子どもが「今日のごはん、日本ぽくてうれしい」と笑った日、家族でほっと肩の力を抜いた日。そんな瞬間をつくってくれるのが、日本の調味料やお米、だしの味でした。

完璧でなくてもいい。100%再現できなくても、工夫と気持ちで十分です。この記事が、これから海外で生活するご家庭にとって、少しでも役立つ情報になれば嬉しいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました