“その家、ほんとに住める?” 海外転勤で後悔しない現地住まい選びのリアル体験集

渡航準備・出発前

海外での生活を始める際、現地での住居選びは生活の質を左右する非常に重要な要素です。住む場所の選び方一つで、生活の快適さ、安全性、子どもの教育環境、通勤のしやすさが大きく変わってきます。

本記事では、実際に海外での生活を経験した方々の体験談を中心に、住居探しの際に重視したポイントや、失敗・成功のエピソードをご紹介します。これから渡航する方にとって、住まい選びの参考になれば幸いです。

通勤・通学の利便性を第一に考えた

体験談①:渋滞地獄の都市で“時間”をお金で買った決断

東南アジアのある都市に駐在したAさんは、現地の交通渋滞のひどさに驚かされたといいます。

「会社まで10kmなのに、朝の通勤で1時間半かかることも。最初は家賃の安さを重視して郊外に住んでいましたが、結局ストレスで限界に」

通勤時間の短縮を最優先し、職場から車で10分の高層マンションに引っ越したところ、毎日のストレスが激減。結果的にQOL(生活の質)が格段に上がったそうです。

ポイント:交通事情を甘く見ない

Googleマップでの距離や時間だけで判断せず、実際に朝夕の時間帯にそのルートを通って確認することが大切です。現地の交通事情は予想以上に悪化することがあります。

子どもの教育環境とスクールバス事情

体験談②:インター校の送迎バスが決め手に

3歳と6歳のお子さんを連れてアメリカに移住したBさん家族。現地のインターナショナルスクールに通わせる予定だったため、住居探しでは「スクールバスのルートに入っているか」が最重要ポイントになったそうです。

「学校は車で40分の距離。でもスクールバスが回ってくれる地域なら、親の負担も少ないし、子どもも友だちと通える安心感がありました」

スクールバスのルートに入っていない住宅地も多く、候補エリアがかなり絞られたとのこと。

ポイント:教育機関との位置関係をチェック

候補の学校とバスルートをセットで確認。学校から送られる資料だけでなく、現地在住者のSNSグループなどでも実際のバス事情を調べるとリアルな情報が得られます。

治安・安全性のリサーチは最優先

体験談③:見た目では分からなかった危険地域

Cさんはヨーロッパ某国で美しい街並みに惹かれてある地域に住居を決めたものの、夜になると騒音やトラブルが絶えない地域であることが発覚。

「近所で夜中に警察沙汰が頻発。昼間はのどかで安心しきっていたけれど、夜に出歩けない状況が続き、子どもにも悪影響が出そうで引っ越しました」

不動産エージェントが治安面のマイナスを説明しない場合もあるため、自己調査が必須です。

ポイント:現地の治安マップや口コミを活用

Googleで「〇〇(地名) Crime Rate」で検索したり、現地在住日本人のブログやSNSで体感治安をチェック。

また、日中と夜の様子を両方見に行くのが賢明です。

生活利便性も見逃せない

体験談④:スーパーまで車で30分の生活はキツかった

Dさんは欧州の郊外に戸建てを借りた経験があります。家は広くて理想的でしたが、近所にスーパーや病院がなく、買い物や通院のたびに30分のドライブが必要でした。

「小さな子どもが熱を出したとき、近所に救急を呼べない不安が大きくて…。結果的に引っ越すことに」

家賃や部屋の広さだけで決めると、生活の不便さが後から響いてくると実感したそうです。

ポイント:日常生活動線をシミュレーション

スーパー、病院、ドラッグストア、カフェ、公園など、日常的に利用する施設へのアクセスを地図上だけでなく“徒歩や車で何分か”で把握しましょう。

家の設備やセキュリティ対策

体験談⑤:カビ・害虫に泣いた失敗例

Eさんが初めて現地で借りた家は、一見きれいなアパートでしたが、湿気がひどく、壁にカビが発生。

「子どもがアレルギー体質なので心配になり、結局数ヶ月で退去することに。現地特有の気候が住環境に影響していると知りました」

また、Gさんは東南アジアでの生活で、ゴキブリやアリに悩まされ、防虫対策に追われる日々だったといいます。

ポイント:内見時の“ニオイ”と“角”を要チェック

現地の気候に応じた住宅性能(断熱、防湿、防虫)を確認。内見時には窓枠・押入れ・天井など、目立たない場所にも目を光らせることが大切です。

家賃・契約条件とサポート体制

体験談⑥:家具付き物件は便利だが注意点も

Fさんは短期赴任だったため、家具付きのコンドミニアムを選択。

「生活をすぐに始められて便利だったのですが、備え付けの家電が古く、何度も故障。オーナーの対応が遅くて苦労しました」

契約前に、トラブル対応のレスポンス体制や設備の保証内容まで確認しておくべきだったと後悔。

ポイント:契約書の内容を日本語で確認

英語や現地語の契約書は、第三者(不動産会社や専門家)に翻訳してもらい、退去条件や修理義務範囲を明確に。

日本語対応のある不動産会社を通すことで、トラブル時の交渉もスムーズになります。

最後に:最初の「住まい選び」は“適応の第一歩”

海外生活における住まいは、単なる「寝る場所」ではありません。家族の心の拠り所であり、現地社会とのつながりの起点でもあります。

そのため、価格や広さといった分かりやすい条件だけでなく、「周辺環境」「安全性」「生活動線」「教育との接続」といった“目に見えにくい価値”にも目を向けることが大切です。

今回紹介した体験談のように、少しの情報不足や確認不足が後々のストレスにつながることも。

逆に、時間をかけて慎重に選んだ住まいは、異国の地での生活を格段に楽しく、安心感のあるものにしてくれます。

これから住居を探す方は、ぜひこの記事の体験談を参考にして、自分たちに合った「現地での居場所」を見つけてください。

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