アメリカの現地校に通い始めた子どもたちが、どんな一日を過ごしているのか。日本とは異なる教育スタイルや雰囲気に、最初は戸惑うことも多かったものの、今では子ども自身が「楽しい!」と笑顔で話すようになりました。
この記事では、小学3年生の娘と中学1年生の息子が通うカリフォルニア州のパブリックスクールでの一日の流れを中心に、親として見て感じたことや、実際の体験談を交えて詳しくご紹介します。
朝の登校〜子どもたちが歩いていく朝

現地校は徒歩圏内だったため、基本的には徒歩通学。ただし、学校によってはスクールバスがあるところもあります。
- 朝7:30 起床、7:50 朝食(トーストやシリアル)
- 8:15 家を出発(兄妹一緒に歩いて登校)
- 8:30 学校到着、校庭でフリータイム
校門が閉まらないのが印象的でした。アメリカの学校では、生徒の安全確保のために、登校後に門を施錠する学校もありますが、うちの学校は比較的オープン。
校庭ではバスケットをしたり、芝生で追いかけっこをしたり、始業前から元気いっぱいです。
午前の授業〜自由度が高いけれど学びはしっかり

- 8:45 授業開始(ホームルームなし)
- 9:00〜10:30 英語(リーディング+スペリング)
- 10:30〜10:45 モーニングリセス(休み時間)
- 10:45〜12:00 算数(タブレット使用)
アメリカの現地校は座席が固定ではなくグループ形式が多く、特に小学校ではカーペットに座ってディスカッションするスタイルが印象的でした。
また、Chromebook(クロームブック)を使った課題提出も多く、日本よりもICT教育が進んでいる印象です。
先生も生徒を名前で呼び、全体的にカジュアルですが、ルールはしっかりしていて、授業中の私語などには即座に注意が入ります。
昼休み〜ランチは持参 or 学校で購入

- 12:00〜12:40 ランチタイム
基本的にランチは持参ですが、学区によっては給食が提供されるところもあります(無料での提供制度もあり)。
うちは:
- 上の子:学校で給食(ピザ・サラダ・ミルクなど)
- 下の子:日本のお弁当(おにぎり、唐揚げ、きゅうりスティック)
カフェテリアはビュッフェスタイルではなく、「今日のメニュー」からトレーを取る方式。
校庭で食べてOKなので、ピクニック感覚でみんな芝生で楽しそうにランチをしています。
午後の授業〜プロジェクト型が中心に

- 12:40〜14:00 理科・社会(統合型のプロジェクト)
- 14:00〜14:45 アート・音楽・体育(曜日でローテーション)
午後の時間はよりアクティブな学習が多く、プロジェクトベースでグループワークをすることが中心。たとえば、
- 植物の成長記録をタブレットで撮影し、まとめる
- 歴史上の人物についてリサーチしてポスター作成
- 美術ではマーブリングやポップアートなど、創造性重視
体育も日本とは違い、勝敗や競技性よりも、参加とチームワーク重視。バスケットやフラッグフットボールなどのアメリカらしい種目も出てきます。
下校〜「See you tomorrow!」と笑顔で帰宅
- 15:00 授業終了
- 15:05 学校出発、歩いて帰宅
- 15:15 帰宅
下校時には送り迎えをする親も多いですが、小学生高学年以降は徒歩や自転車が主流。中学生になると、友達と寄り道してスタバに行くこともあるようです。
帰宅後は:
- 宿題(30分〜1時間)
- 夕方は自由時間(近所の子と遊ぶ or YouTube)
アメリカの宿題はそこまで多くなく、家庭の自由時間が多く取れるのが特徴です。
親として感じた違いと対応

1. 親が学校に関与する機会が多い
- ボランティア参加(授業・図書室・イベント)
- 定期的な担任との面談(英語でも対応可能)
- PTAや“Room Parent”としての関与要請
「親の出番が多くて大変」という声もありますが、実際に参加すると先生や他の親とのつながりもでき、学校情報も得やすいというメリットがあります。
2. 評価は“定期テスト”より“日々の参加態度”
通知表には、
- Academic(学業)
- Behavior(態度)
- Participation(参加姿勢)
などの項目があり、日々の授業中の積極性や態度が重視されます。そのため、授業中に手を挙げて発言する勇気も必要になってきます。
3. 英語力に応じたサポートもある
ESL(English as a Second Language)という仕組みがあり、英語が母語でない子ども向けの特別授業も用意されています。
最初は英語に不安があっても、
- ゆっくり話す先生
- 簡単な単語を使ってくれる友達
など、サポート体制が整っており、「安心して通わせられる」と感じています。
最後に:アメリカ現地校で育つということ
アメリカの現地校に通わせることは、最初こそ不安もありましたが、子どもが“自分の意見を言う”“多様性を受け入れる”力を自然に身につけることができる環境だと実感しています。
「日本と違う」ではなく、「こういうやり方もあるんだ」と親自身も学びながら、柔軟に構えていくことが、現地校での生活を楽しむ一番のコツかもしれません。
これから現地校に通わせるご家庭の参考になれば幸いです。
コメント