点じゃない!? “姿勢”が評価されるアメリカ現地校の通知表に戸惑った日

現地校・教育事情

アメリカ現地校に通い始めた当初、子どもの成績評価について私は戸惑いました。日本とは大きく異なる評価軸や伝え方、保護者との関わり方など、知れば知るほど「これは文化そのものの違いなのだ」と感じるようになったのです。

この記事では、我が家の子どもたち(小3・中1)がアメリカで受けた成績評価の実例を交えながら、アメリカ現地校の成績評価の仕組みと、親としてどうサポートしてきたかを詳しくご紹介します。

アメリカの成績評価の特徴とは?

1. 点数より“プロセス”重視

アメリカでは、単純な点数やテスト結果だけではなく、日々の授業への参加態度、課題への取り組み方、協調性、創造性などが評価対象となります。

たとえば、次のような観点が通知表に含まれていました:

  • Academic Performance(学力):教科ごとの達成度
  • Participation(参加姿勢):授業中の積極性や協働の様子
  • Behavior(行動面):ルールを守れるか、周囲との関係構築

テストで高得点を取っていても、授業中に発言が少ないとParticipationの評価は低くなることもあるのです。

2. レターや記号での表記が多い

小学校では “E(Excellent)/G(Good)/S(Satisfactory)/N(Needs Improvement)” といった評価記号がよく使われます。

中学校になると A〜F のレターグレードが一般的で、

  • A:90〜100点
  • B:80〜89点
  • C:70〜79点
  • D:60〜69点
  • F:60点未満(不合格)

といった基準があります。加えて、“+”や“−”が付くこともあります(例:B+)。

成績表(Report Card)の中身とは?

学期ごとに配布される「Report Card」には、成績に加えて先生のコメントが必ず記載されていました。

小3の娘の例:

Reading:G(Good)
Math:E(Excellent)
Science:G
Writing:S(Satisfactory)
Behavior:G

先生コメント:"She is always kind to others and makes good effort. I encourage her to speak more during group activities."

「グループ活動でもう少し発言を」といったフィードバックがあり、“未来へのアドバイス”として機能している印象です。

成績の伝え方と保護者面談(Parent-Teacher Conference)

アメリカの学校では、保護者と教師のコミュニケーションが非常に密接です。

  • 学期ごとに面談(15〜20分程度)
  • 担任と1対1で話す場で、子どもの様子を写真や作品とともに説明
  • 子どもが同席することも(Student-Led Conference)

我が家の場合、娘が自分の作品を説明しながら「ここは先生に褒められた」と話す姿に驚きました。自分で自分の成長を把握する機会になっていると感じました。

宿題・課題の評価基準とは?

宿題は必ずしも毎日ではなく、週ごとにまとめて出るケースが多いですが、

  • 提出期限を守る
  • 自分の考えが入っているか
  • 工夫やチャレンジが見られるか

といった“取り組む姿勢”が重視される傾向があります。

実体験:

息子が「歴史上の人物について調べてレポートを書く」課題で、教科書を丸写しして提出したところ、「これはあなた自身の言葉じゃないね」とコメントされ減点。

→ 翌週、彼は自分の言葉で書き直し、今度は「Great improvement!」のコメントをもらいました。

成績評価に対する親のサポート

1. 「点数」で評価しない

日本育ちの私たち親世代にとって、点数や順位での評価に慣れているため、最初は戸惑いもありました。

でも、「参加していたかどうか」「工夫をしたか」「自分の意見を持っていたか」という観点で子ども自身が評価されていることを理解し、家庭でもそれを後押しする声かけを意識するようになりました。

2. 目に見えない成長を認める

たとえば:

  • クラスで1回でも手を挙げたら「よく勇気出したね」
  • 宿題に自分の考えを書いたら「いい視点だね」とフィードバック

「完璧さ」よりも「変化」や「挑戦」を家庭でも肯定することで、子どもは安心して取り組めるようになると感じました。

3. 面談の内容を家庭でも共有

面談で先生から聞いたフィードバックは、子どもにも伝えるようにしています。「先生がこう言ってたよ。ママも同じこと思う」と伝えると、子どももより受け入れやすいようでした。

英語が不安な親でもできること

英語での面談や評価の理解が不安な方も多いと思いますが、

  • 通訳を同行させる(学校が手配してくれる場合も)
  • 翻訳アプリを活用する
  • 面談前に事前質問をメールで送っておく

など、**事前準備でかなり対応できます。**実際、うちも最初はGoogle翻訳を印刷して臨んだこともありました。

まとめ:成績は“点”ではなく“線”で見る

アメリカの成績評価は、「今できること」よりも「これから伸びる力」に焦点を当てています。

親としてできるサポートは、

  • 点数だけを気にせず、日々の成長を認めること
  • 学校との対話を通じて子どもに合った声かけをすること

評価があるからこそ、子どもが“自分を振り返る機会”になります。日本とは異なるこのスタイルを楽しみながら、親子で“学びのかたち”を一緒に築いていくことが大切だと実感しています。

これから現地校に通わせる予定のご家庭に、少しでも参考になれば幸いです。

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