言葉の壁を超えて──アメリカ現地校で先生との信頼を築いた親のリアル体験記

現地校・教育事情
ニーチェ
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この記事は私の母が当時のことを振り返りながら執筆しました!

アメリカに移り住んで最初に感じた壁は、買い物でもなく交通機関でもなく「学校とのやりとり」でした。日本では連絡帳やプリントがあれば情報を受け取れますが、現地校ではそれが一切ありません。

しかも、すべてが英語。メールを受け取っても意味を完全に理解できるか不安で、読み終わるだけで胸がドキドキしたことを今でも覚えています。この緊張感の中で、どうやって先生との信頼を一歩ずつ積み上げていったか、私自身の体験談を軸にお伝えしていきます。

主な連絡手段は「メール」と「アプリ」

アメリカの現地校では、先生との日常的なやり取りは主に以下の2つで行われます:

  • メール
  • ClassDojo、Remind、Seesawなどの連絡アプリ

現地校に入ってまず驚いたのが、先生との主なやり取りがすべてデジタルで行われることでした。ClassDojoやRemindといったアプリを通じて、授業の報告から持ち物まで送られてきます。娘の担任の先生は毎週末に「今週学んだこと」と「来週の予定」をメールで共有してくれましたが、最初は英語が難しく、翻訳ツールにかけても腑に落ちない表現がありました。

そのたびに、辞書を片手に一語ずつ確認し、やっとの思いで返信文を考えるような日々でした。簡単な表現から「返信を欠かさない」ことを習慣にし、少しずつ会話がキャッチボールのように続けられるようになったとき、先生との距離が近づいたと実感できました。

学期ごとの面談「Parent-Teacher Conference」

現地校で特に印象的だったのは「Parent-Teacher Conference」と呼ばれる面談の機会です。日本では成績表に沿った簡単な面談でしたが、こちらでは子どもの作品や授業中の写真を丁寧に提示しながら、「こんな場面で積極的に手を挙げていましたよ」など具体的に伝えてくれます。

初回は英語への不安が大きかったので、私は質問事項を日本語で書き出し、翻訳して持参しました。手元の紙を見ながら話す姿に少し恥ずかしさもありましたが、先生は真剣に耳を傾けてくれ、安心感が広がりました。

帰宅後、娘に「先生があなたのスピーチをすごく褒めてくれていたよ」と伝えると、娘の目が輝いたのを今でも鮮明に覚えています。

学校との関係を深めるための工夫

1. とにかく“返信”を欠かさない

先生からの連絡が来たときは、簡単でもいいので必ず返信。たとえば:

Thank you for the update. We appreciate your support.

こうしたひとことが、信頼関係構築の第一歩になります。

2. 「伝える」より「共有する」姿勢

日本では“先生にお願いする・報告する”という構図が多いですが、アメリカでは“家庭と学校がパートナー”という認識が強いです。

たとえば子どもの家庭での様子を、気軽に共有すると、先生も学校での様子を返してくれるようになりました。

She seemed a bit nervous about the presentation. Let us know how she did!

→ 担任の先生から「She did great! She spoke clearly and smiled!」と返信があり、安心しました。

3. 習慣や文化の違いは“そのまま伝える”

アメリカでは「子どもが泣いた=心配な子」ではなく、「自分の感情を出せる子」とポジティブにとらえる傾向もあります。

慣れない文化の中で不安なことがあれば、遠慮せずに伝えることで、先生側も配慮してくれるようになります。

She still feels shy to speak in class. Please let us know if she needs support.

ボランティア活動を通じて信頼を築く

もう一つ、先生との距離を縮めるきっかけになったのがボランティア活動でした。アメリカの学校では保護者が自然に“学校の一員”として関わる文化があります。私は最初、言語の壁からためらいましたが、図書整理やイベント受付など、英語を使わなくても参加できる仕事から挑戦しました。

書棚を並べ替えながら他の保護者と世間話をしたり、イベントで先生と会話を交わしたりするうちに、次第に顔見知りが増えていきました。こうした小さな参加が積み重なり、「あの子のママ」として学校に居場所を得られたことは、子どもにとっても安心感につながったのだと思います。

  • 図書の整理
  • イベントの準備
  • 遠足の引率

私も最初は戸惑いましたが、「写真撮影係」や「受付係」など、言語に関係なくできる仕事から関わることで、先生や保護者と自然と会話が生まれました。

英語が不安な場合の対処法

英語に自信がない場合でも、以下の方法で乗り切れます:

  • 翻訳アプリを活用する(DeepL、Google翻訳)
  • 事前に伝えたい内容を文面化して練習
  • 通訳を同行(学校にリクエストできる場合もあり)

私自身、最初の保護者面談では紙にメモをびっしり書き、それを読みながら話しました。先生も快く受け入れてくれ、少しずつ自信がついてきました。

まとめ:先生との関係づくりは“日常の一言”から

アメリカ現地校での先生とのコミュニケーションは、「がっちりとしたフォーマルな関係」ではなく、「家庭と学校が一緒に子どもを育てていく」パートナーシップ型です。

  • 毎週のメールに返信する
  • 子どもの気持ちや家での様子を共有する
  • イベントや面談を活用して顔を合わせる

こうした“日常の小さなやりとり”の積み重ねが、子どもの安心感にも直結すると感じています。

日本とは文化もシステムも異なりますが、「子どもを大切に思う気持ち」は世界共通。言葉が不安でも、それがある限り、先生とのコミュニケーションはきっと大丈夫です。

ニーチェ
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これからアメリカ現地校への通学を控えている方に、少しでも参考になれば幸いです。

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