海外生活がスタートして最初に向き合うのが、「新居での生活」。ホテル滞在とは違い、実際に暮らすとなると、設備の使い方や契約内容、生活インフラなど、思わぬ“落とし穴”があちこちに存在します。
本記事では、実際に私たち家族が海外での新居で体験した「困ったこと」と、それをどう乗り越えたか、現地でどのようなサポートがあったかを詳しくご紹介します。これから海外での住まいに入る方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
鍵が開かない!?入居初日のプチパニック
体験談①:アメリカで“鍵の回す方向”が逆だった
新居に到着したのは午後3時。入居前に写真で見ていた通りの素敵なアパートでしたが、いざ玄関の鍵を開けようとすると、まったく開かない。日本とは回す方向が逆で、力の入れ方も違ったようで、玄関先で10分近く格闘することに。
荷物を持った子どもたちはぐったり。隣人の方がたまたま通りかかって、「逆に回してみたら?」と助言してくれ、ようやく開いた時には、家族全員でため息が出ました。
対応とサポート
この経験を機に、管理会社に「生活マニュアル」を依頼。メールで送られてきたPDFには、鍵の操作方法からゴミ出しルール、電気・水道の問い合わせ先まで記載されていて、入居後の不安がかなり軽減されました。
シャワーが冷たい!?給湯システムの謎
体験談②:温度調整が複雑すぎる
入居初日の夜、長旅の疲れを癒そうとシャワーを浴びようとしたところ、水がずっと冷たいまま。温度調整のつまみが2つあるのに、どちらを回しても変化がなく、結局その日は水シャワーで済ませる羽目に。
翌日、不動産会社に連絡すると「ボイラーのスイッチが壁の反対側にある」とのこと。事前に何の説明もなかったため、完全に見落としていました。
対応とサポート
管理会社に連絡すれば、英語が不安な場合でも通訳サービス付きで対応してくれたのが安心ポイントでした。現地の日本人コミュニティの掲示板でも「〇〇地区の水回りトラブルが多い」という情報を事前に得ておけばよかったと反省。
家具付き物件の“備品が壊れてる”問題
体験談③:オーブンが使えずご飯が作れない
「家具付き」「家電付き」のはずだった新居。ところが、いざ使おうとするとオーブンの温度が上がらない。冷凍食品も焼けず、最初の数日は朝も昼もサンドイッチかカップ麺。冷蔵庫も異音がしていて、冷えが弱く、飲み物もぬるいままでした。
対応とサポート
このとき活躍したのが、現地駐在員向けのサポートサービス(企業契約)。問い合わせをすると翌日に修理業者が来てくれて、オーブンはその場で部品交換、冷蔵庫は翌週に新品に交換してもらえました。
個人契約の方には、物件契約時に「修理対応の有無」「管理会社のレスポンス体制」をよく確認しておくことをおすすめします。
ゴミ出しルールが分からない!
体験談④:曜日と分別方法が全然違う
アメリカでは、日本のように「燃えるゴミ/燃えないゴミ」といった分別がなく、基本的には「リサイクル」と「一般ゴミ」の2種類のみ。ただし、地域によって出す曜日が違い、しかも収集時間が早朝6時だったりします。
初日はゴミの袋を出しそびれて、アパートの廊下がゴミ臭くなってしまい、他の住人に注意されてしまいました。
対応とサポート
大家さんからメールで送られた「生活ガイドブック」が役立ちました。日本人向け不動産会社では、日本語訳のあるごみカレンダーを提供してくれるところも。
また、同じアパート内に日本人家庭がいたため、挨拶のときに「ゴミ出しどうされてますか?」と聞けたのも心強かったです。
Wi-Fiがつながらない!通信の壁
体験談⑤:契約はしたのに、開通しない
引っ越し前にインターネット契約は済ませておいたのですが、到着してみると「開通工事がまだ終わっていない」とのこと。しかも工事日は2週間後という返事。情報収集も子どもたちの学習もままならず、大慌てでSIMを購入したり、カフェでWi-Fiを拾ったりする日々が続きました。
対応とサポート
知人に紹介してもらった日系のITサポート業者に相談し、モバイルルーターを緊急レンタルできました。現地のサービスは“予約しても遅れる”のが当たり前なので、代替手段を常に用意しておくことが大切だと痛感しました。
隣人トラブルと“言語の壁”
体験談⑥:深夜の騒音にどう対応する?
ある晩、上階からの足音や物音がひどく、子どもが起きてしまいました。注意したいけど、どんな英語で伝えればいいか分からず、翌朝メールで丁寧に書いて送ることに。
返事は意外にも「Sorry! We didn’t notice. Thanks for telling us :)」というフレンドリーなもの。文化の違いを恐れすぎていた自分に気づきました。
対応とサポート
物件によっては、管理会社を通じたクレーム対応が基本です。直接伝えるのが不安なときは、メールのテンプレートを使うのもおすすめ。日本人向けサポートデスクでは、英語文例も提供してくれました。
最後に:トラブルの先には“安心”が待っていた
新居での生活は、予想以上に「小さな困りごと」の連続でした。鍵が開かない、水が出ない、ご飯が作れない…そんな基本的なことに悩まされる毎日は、決して楽なものではありません。
でも、それらをひとつずつ乗り越えていくうちに、「ここで暮らしていける」という安心感が芽生えました。
現地のサポート体制、管理会社、同じ境遇の日本人コミュニティ。どれもが、困ったときに手を差し伸べてくれる存在でした。
海外生活は、最初の1週間で大きく印象が変わります。この記事が、新たな一歩を踏み出す方にとって、小さな灯りになればうれしいです。
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