“転校 or 在籍”で揺れた日々――海外渡航前にやってよかった日本の学校との手続き全記録

渡航準備・出発前

「日本の学校、抜けちゃって大丈夫かな…?」

渡航2ヶ月前の夜、私が思わずつぶやいた声に、夫も無言になりました。帰国後の学籍のことまで想定できていなかったわが家。翌日からの役所・学校巡りは、まさに“手続き地獄”の始まりでした。

しかし、これらの手続きは自治体や学校によって運用が異なる場合もあり、予想以上に時間や調整がかかるもの。今回は、実際に手続きを行った保護者たちのリアルな体験談を交えながら、転校・やりとりの注意点やポイントをお伝えします。

まずは“転出扱い”か“在籍扱い”かを確認

体験談①:「在籍」のままか「転出」するか迷った

小学2年生の息子を連れてシンガポールに帯同した際、地元の公立小学校に「在籍扱い」にするか「転出」にするか相談しました。

在籍扱いであれば帰国後に元の学校に復学しやすく、学籍番号もそのまま維持されるとのこと。ただし、欠席扱いが続くため通知表の評価は空欄になると説明されました。

一方、転出扱いとすれば転校先での学籍にスムーズに移れるが、帰国後は学区の関係で元の学校に戻れない可能性も。

結局、現地のインターナショナルスクールに長期的に通う方針にしたため「転出」扱いを選びました。

ポイント:早めに学校と面談し、教育委員会にも相談を

在籍か転出かは学校の判断だけでは決めきれないこともあります。教育委員会に問い合わせ、方針を明確にしておくことで、後々の混乱を防げます。

必要書類とその取得方法

体験談②:出発直前に“在学証明書”を忘れて慌てた

アメリカに移住することが決まり、急ピッチで渡航準備を進めるなか、子どもの転校先(現地校)から「在学証明書」「成績証明書(英文)」の提出が必要と知らされたのが出発の1週間前。

出発1週間前、学校から「在学証明と英文成績表が必要」と連絡が入り真っ青。

「今日は無理です」と言われ、翌日は午前休を取って学校へ。校長先生直筆で書類を受け取り、郵送での手渡し。

あの時、夜遅くまで書類を確認してくれた学校スタッフに、本当に感謝しています。

ポイント:渡航が決まったらすぐに書類リストを学校に確認

以下の書類は、早めに準備しておくと安心です:

  • 在学証明書(必要なら英訳も)
  • 成績表の写し(小学校でも通算記録があると便利)
  • 予防接種証明書
  • 各種検診結果や健康診断書

英訳が必要な場合は、学校側に相談するか、専門の翻訳サービスを利用しましょう。

転校・復学における注意点

体験談③:帰国後に元の学校に戻れなかった

中学1年生の娘を連れてヨーロッパへ帯同。2年間の現地校生活を終えて帰国し、元の中学校に戻るつもりでしたが、学区変更があり、元の学校には通えなくなってしまいました。

夫と顔を見合わせたのは忘れられません。急いで教育委員会と電話し、別の中学に手続きをして、結局復学は3学期からになりました。

ポイント:帰国予定が見えた段階で学校と連絡を

数ヶ月でも早く帰国予定が決まったら、元の学校または教育委員会に相談しておきましょう。

特に中学校・高校では、内申や科目の履修状況が進学に関わるため、戻れるかどうかの確認は必須です。

学校との連絡を円滑にする工夫

体験談④:定期的に子どもの写真と近況を送った

渡航直後、「こっそりメールするね」と担任に言われたのがきっかけで、月1回、授業参観の写真と近況を送ることに。

現地の子たちにも配ってもらって、「〇〇くん、写真で元気そうだね」と教室で話題になったそうです。

このつながりのおかげで、帰国後も違和感なくクラスに戻れたというのが大きな収穫でした。

ポイント:担任との連絡手段を確保

メール、LINE、学校を通じての郵送など、無理のない範囲でつながっておくことで、関係性の継続がしやすくなります。

兄弟姉妹が日本に残る場合の対応

体験談⑤:兄弟別々の学校で連携が難航

我が家は長男(高校生)が日本に残り、次男(小学生)を連れて海外に帯同。長男の転校手続きは不要でしたが、保護者不在での在籍継続には学校からの確認が必要でした。

祖父母を「保護者代行」として届け出を出す必要があり、書類のやりとりも複雑に。学校行事の連絡などもタイムラグが発生し、兄弟の進学スケジュール調整にも一苦労。

ポイント:学校ごとにルールが異なることを前提に

兄弟姉妹が複数いる場合、それぞれの在籍校と個別に連絡を取り、方針と必要書類を確認しておきましょう。

海外での教育方針と日本のカリキュラムのズレ

体験談⑥:帰国後、学年相当の漢字が読めなかった

現地校では英語中心の学習だったため、日本語の読み書きが極端に遅れてしまい、帰国後に大きなギャップが発生。

「うちの子だけ、漢字テストで0点…。プライドが傷ついてしまって」と保護者の方は語ります。

渡航中も自宅で日本語学習を継続する重要性を痛感したとのこと。

ポイント:家庭学習やオンライン塾で“日本語の地力”を維持

「海外子女向けの通信教育」や「日本の教科書準拠のオンライン教材」などを活用し、週1〜2回でも学習時間を確保することが理想的です。

最後に:学校との信頼関係がスムーズな移行の鍵

海外渡航は、子どもにとっても学校にとっても大きな変化を伴います。その中で、丁寧に対話を重ね、関係性を築いていくことが、子ども自身の安心感にもつながります。

学校とのやり取りにおいては、次の3つを意識するとスムーズです:

  1. 早めに相談する(できれば渡航2〜3ヶ月前)
  2. 情報を共有する(行き先、学校、滞在期間など)
  3. 帰国後の復学についても事前に相談

これから転校手続きを控える方が、少しでも安心して準備を進められるよう、この記事が役立てば幸いです。

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