イオンモール熊本の爆発事故で、アパレル大手オンワードホールディングスの従業員3人が亡くなりました。3人は2階の店舗に勤務していたにもかかわらず、遺体が見つかったのは1階の搬出入口付近。なぜ避難後に館内へ戻り、自分の店舗がある2階ではなく1階にいたのか。ハビタが「売上金を金庫に戻す指示」を認めて謝罪したのに対し、オンワード側からは戻った理由について具体的な説明が出ていません。この記事では、報道と掲示板の情報から、オンワード従業員3人がなぜ戻ったのかを整理します。
オンワード従業員3人が戻った理由は現時点で「不明」

オンワードHDは7月31日にニュースリリースを出し、イオンモール熊本に勤務していた従業員3人の死亡を発表しました。しかしリリースの内容は「ご冥福を心よりお祈りするとともに、ご遺族の皆様に衷心よりお悔みを申し上げます」という哀悼のみで、3人がなぜ避難後に館内へ戻ったのかについての説明は一切ありません。
同じ爆発事故で従業員2人を失ったハビタは、上野景真社長が8月2日に「売上金を金庫に戻してほしいと指示した」と認め、「痛恨の極みだ」と謝罪しています。指示の経路(幹部→店長→本人)まで報道で明らかになっています。
一方、オンワードは自らリリースを出し取材にも応じているものの、「なぜ戻ったのか」という核心部分への回答は出していません。ガールズちゃんねるでは、この対応の違いに注目する声が出ています。
「戻れと言った会社は取材一切拒否 オンワードは自らリリースし取材もうけてる」
この指摘は、「戻れと指示した」のがオンワードではない可能性を示唆するものですが、ではなぜ3人が自主的に戻ったのかという疑問は残ったままです。
2階の店舗なのに遺体は1階搬出入口で発見された
オンワードHDがイオンモール熊本に出店していたのは、2階の「エニィスィス(anySiS)」と「ウィゴー(WEGO)」の2店舗です。地震当日は計7人の従業員が勤務しており、地震直後に全員が避難して安全が確認されていました。
しかしその後、3人と連絡が取れなくなります。7月30日夜に1人、31日朝に残る2人の死亡が確認されました。FASHIONSNAPの報道によると、オンワードHDが警察から聞いた話では、3人の遺体はいずれも1階の搬出入口で見つかっています。
ここで浮かぶ疑問は「なぜ2階の店舗の従業員が1階にいたのか」です。自分の店に戻ったなら2階にいるはずです。1階の搬出入口は従業員用の出入り口にあたるため、「館内に入り直す途中」か「館内から出ようとしていた途中」のどちらかで爆発に巻き込まれた可能性が考えられます。
ガールズちゃんねるでは、勤務場所とロッカーが離れている商業施設の構造を指摘する声もあります。
「大きな駅ビルで働いてた事あるけど、勤務してる場所とロッカーがすごく離れてたりするんだよね。勤務場所は7階で、ロッカーは地下だったりする」
2階の店舗で働いていても、貴重品を預けていたロッカーが1階やバックヤードにあった可能性はあります。搬出入口付近で見つかったということは、まさにバックヤード側に向かっていた可能性を示しています。
「車の鍵がないと帰れない」熊本の車社会事情
NHKは7月31日、イオンモール熊本の2階店舗で働いていた20代女性従業員の証言を報じました。この従業員は客の避難誘導を終えた後に私物を取りに店内に戻り、外に出た約2分後に爆発が起きたと語っています。
イオンの吉田昭夫社長も7月29日の会見で「一部は一旦避難は完了したけども、車のキーだとか、自分が家に帰るための身支度みたいなものを取りに戻ったということもあったようなことも発言がございましたが、これは確認が取れているものではございません」と述べています。
熊本県の世帯当たり自家用乗用車保有台数は1.289台。嘉島町のイオンモール熊本は車以外でのアクセスがほぼ不可能な立地です。ガールズちゃんねるでも車社会ならではの事情を指摘するコメントが多く出ています。
「家に帰ろうにも車のカギが無いと帰れないもんね…」
「田舎は車社会。帰宅するには車や家の鍵が入ってる自分のバッグを取りに戻らないといけなかったのかも」
「クレアに車以外で来てる人ほぼ見た事ないよ。バスば出てるけど、それだってスマホか財布がなきゃ乗れない」
地震発生から爆発まで約50分。余震も収まりつつあるように見えた時間帯に、「鍵だけ取ってすぐ出よう」と判断した従業員がいたとしても不思議ではありません。
閉店作業や被害確認で戻った可能性も
ガールズちゃんねるでは、私物以外の理由で戻った従業員の証言も紹介されています。
「翌日も休みって決まったし、お客様の個人情報もあるから閉店作業しに戻った」
テレビのインタビューでギリギリ逃げられた従業員がこう語っており、責任感から「レジ締め」や「個人情報の管理」のために戻った人がいたことがうかがえます。
さらに、保険請求のための店舗被害写真の撮影を指示されたテナントがあったのではないかという声も出ています。
「保険金請求のために被害状況を写真に撮らせる。そういう指示を出したテナントの上層部が悪い」
この点については確認が取れていませんが、仮に被害状況の記録を求められていたとすれば、バックヤードや搬出入口付近に足を運ぶ理由にはなり得ます。
ハビタは指示を認めオンワードは沈黙、対応が真逆だった

同じ爆発事故で従業員を失った2社の対応は、現時点で真逆です。
ハビタの上野景真社長は「売上金を金庫に戻してほしい」という指示を認め、指示の経路(幹部→店長→本人)も西日本新聞の取材で明らかになっています。遺族への直接の謝罪も行いました。
オンワードHDは東証プライム上場・連結売上高2000億円超のアパレル大手です。死亡を発表するリリースを自主的に出し、取材にも応じていますが、「なぜ従業員が戻ったのか」については一切触れていません。上場企業としての説明責任が問われる局面であるにもかかわらず、理由の説明も社内調査の有無も公表されていない状況です。
オンワードの3人は会社からの指示ではなく、自主的な判断で館内に戻った可能性もあります。しかし、「自主的に戻った」のであれば、なぜそれを会社側が説明しないのか。遺族が「真実を話してほしい」と訴えている以上、沈黙を続けることが批判を招く構造は変わりません。
「真面目な人から順に危険にさらされる」構造
今回の爆発事故で浮き彫りになったのは、避難後に建物へ戻るかどうかの判断が、個人の責任感に委ねられている問題です。
イオンモール側は「避難後は館内に入らないマニュアル」を持っていました。しかし、テナント側の現場では「売上金の管理」「閉店作業」「貴重品の回収」といった業務上の理由が残っており、マニュアルと現実の間にギャップがありました。
ガールズちゃんねるでは、この構造的な問題を指摘する声が出ています。
「従業員に対して貴重品あるなら取りに行っていいって連絡があったんじゃなかった?」
「うちの会社もスマホも貴重品も持ち込めない。機密情報保持のためロッカーの階も違うし。なんか取りに行く心理はわかるな」
責任感が強い人ほど、売上金を放置できない。個人情報を無防備にしておけない。後輩が戻るなら自分も戻らなければ。結果的に「真面目な人から順に危険にさらされる」という構造が、今回の事故では7人の命を奪いました。
オンワードの3人が会社の指示で戻ったのか、それとも自らの判断だったのか。1階の搬出入口で何をしようとしていたのか。遺族と世間が求めているのは、その事実です。新情報が入り次第、追記します。
大竹玖瑠美なぜ戻った?「幹部→店長→本人」指示の連鎖が判明、たった数十万円の売上金のために-イオンモール熊本爆発では、ハビタでの状況を解説しています。こちらもご確認ください。

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