映画『オデュッセイア』をどこで観るべきか、オデュッセイアIMAXの劇場選びに迷っている方が増えています。結論から書きますと、本命はグランドシネマサンシャイン池袋と109シネマズ大阪エキスポシティの2館です。一方で、世界最高とされるIMAX 70mmフィルム上映は日本にありません。ここではオデュッセイアIMAXの劇場の違いを整理します。
オデュッセイアIMAXの本命は池袋と大阪エキスポシティの2館

先に答えを書きます。『オデュッセイア』を日本で最高の環境で観るなら、候補は次の2館です。
| 劇場 | スクリーン | 特徴 |
|---|---|---|
| グランドシネマサンシャイン池袋 | 18.9m × 25.8m | 常設の商業映画館として国内最大のIMAX |
| 109シネマズ大阪エキスポシティ | タテ18m × ヨコ26m | 西日本で唯一、4Kツインレーザー |
同じ「IMAX」と名前がついていても、この2館だけが別物です。理由は画角にあります。
この2館だけが全編を1.43:1の画角で投影できる
IMAXには複数の画角があり、1.43:1がIMAX本来の縦長フォーマット、1.90:1がデジタルIMAXの標準です。数字が小さくなるほど画面が縦方向に広がります。
そして『オデュッセイア』は、映画史上初めて全編をIMAXフィルムカメラで撮影した作品です。つまり本来の1.43:1で投影できる劇場でなければ、上下が切り取られた状態で観ることになります。
日本でこの1.43:1に対応しているのは、池袋と大阪エキスポシティの2館だけです。それ以外のIMAX劇場は1.90:1での上映になります。
これまでのノーラン作品は、IMAXカメラで撮られたのが一部のシーンだけでした。『オデュッセイア』は全編がIMAXカメラ撮影なので、上映時間172分のあいだずっと縦に広い画面が続くということになります。ここが過去作と決定的に違う点です。
池袋のスクリーンは18.9m×25.8mで国内最大
グランドシネマサンシャイン池袋のIMAXレーザー/GTテクノロジーは、AV Watchの記事によりますと縦18.9m × 横25.8m。常設の商業映画館としては日本最大のIMAXスクリーンです。座席数は約2,500席(劇場全体)とされています。
数字だけではピンとこないかもしれませんが、ビル6階分の高さに相当します。エレベーターで6階まで上がる距離が、そのまま目の前に縦の映像として立ち上がると考えると、規模が想像しやすいはずです。
大阪エキスポシティは西日本で唯一の1.43:1対応
109シネマズ大阪エキスポシティも、同等のスペックを備えています。
109シネマズの公式発表によりますと、スクリーンはタテ18m、ヨコ26mで、こちらもビル6階分に相当。4Kツインレーザープロジェクションシステムにより、全編がIMAX独自の1.43:1画角で投影されます。
そして西日本でこの画角に対応しているのは、ここだけです。関西・中国・四国・九州にお住まいの方にとって、本来の画角で観る選択肢は事実上この1館ということになります。
なお『オデュッセイア』は9月4日から10日までIMAXレーザー劇場で先行公開され、9月11日から正式上映が始まりました。先行公開の対象には109シネマズ菖蒲、木場、二子玉川、グランベリーパーク、川崎、湘南ゆめが丘、名古屋も含まれていましたが、これらは1.90:1での上映です。
実際に観た人は「左右の端から端まで全部がスクリーン」と証言している
スペックの話が続きましたが、実際に体験した人の言葉のほうが伝わるかもしれません。
ファミ通が池袋のIMAXレーザーGTでの鑑賞をレポートしていますが、その描写が具体的でした。
「前を向くと、左右の端から端まで全部がスクリーン。他人の頭はもちろん、周囲の壁すら視界には入ってこない」
そして過去作との違いについても触れています。
「全編IMAXカメラ撮影なので、ずーっとデカい画面」
Stereo Sound ONLINEのレビューは、1.43:1という画角がもたらす見方の変化を指摘していました。
「画面全体を見渡すよりも、その時々で大事な部分を注視する能動的な体験」
通常の横長スクリーンなら視界に全部おさまりますが、縦に広い画面では自分で見る場所を選ばされるということになります。同レビューは音についても「大きな空間を高密度に埋め尽くす轟音」と表現していました。
同じことで迷っている人は多いようで、Yahoo!知恵袋にもそのままの質問が投稿されていました。
「オデュッセイアの映画、どこで見たらフルの画角で見れますか?池袋とかごく一部だけでしか見れなさそうですか…?」
これに対する回答が、状況を的確にまとめています。
「フルで観ようと思ったら日本ではIMAXレーザーGTという規格で観る必要があります。現在この規格を備えている映画館は『グランドシネマサンシャイン池袋』と『109シネマズ大阪エキスポシティ』の2か所しかありません」
劇場を探すときは「IMAX」ではなく「IMAXレーザー/GTテクノロジー」という表記を目印にすると、間違いがありません。
池袋のIMAXは座席より先に予約のハードルが高い
劇場が決まったら、次はチケットです。ここが実は一番の関門になります。
グランドシネマサンシャイン池袋での鑑賞について、実際に通っている方がnoteで注意点を挙げていました。
「真ん中あたりの席」を希望する場合、人気作品では予約開始時に素早く行動する必要がある
同記事によりますと、リワード会員(年会費500円)は上映3日前の21時から購入可能になるものの、その時間はサイトが混雑して接続できないこともあるとのことです。公開初日のIMAX鑑賞は運の要素が大きい、とも書かれていました。
1.43:1に対応した劇場が全国で2館しかない以上、席の選り好みをする前に、まず取れるかどうかという段階から始まります。日程に融通が利くなら、平日の昼間など競争の緩い回を狙うほうが現実的です。
入場までに30分かかるので早めに着いたほうがいい
もうひとつ、池袋特有の事情があります。建物の構造です。
同じnote記事によりますと、グランドシネマサンシャイン池袋はメインロビーが4階、IMAXシアターが12階にあります。そのため「エスカレーターをひたすら登ったり受付の順番待ちをしなければいけません」という状態になります。
しかも開場時間前はエスカレーターが使用できないため、チケット指定時間の30分前には建物に到着しておくことが推奨されています。待ち時間は12階のカフェエリアで過ごせるそうです。
そしてもう一点、172分という上映時間に直結する注意があります。
「座席数に対してトイレの台数が明らかに少ない」
上映終了後は長い行列ができるため、事前の水分摂取量の調整が重要だと指摘されています。3時間近い作品なので、これは覚えておいて損がないはずです。
世界最高とされるIMAX 70mmフィルム上映はアジアに1館もない
ここからが、多くのガイド記事が触れていない部分です。
実はIMAXの最上位形式は「IMAX 70mmフィルム上映」です。デジタルではなく、フィルムそのものを映写する方式で、『オッペンハイマー』のときにも話題になりました。
ところがこの上映が日本にはありません。それどころか、アジア全体で1館もゼロです。
THE RIVERの記事によりますと、『オデュッセイア』のIMAX 70mm上映館は世界でわずか41館。『オッペンハイマー』のときは30館だったので増えてはいますが、その41館はすべて日本の外にあります。
つまり池袋と大阪エキスポシティは、「世界最高」ではなく「日本で望みうる最高」という位置づけになります。この2館を推す意味は、そこにあります。
増やせない理由はフィルム映写機が50年間作られていないから
では、なぜ増やせないのでしょうか。理由がかなり衝撃的です。
IMAX社CEOのリチャード・ゲルフォンド氏は、最大の問題として新しいIMAXフィルム映写機が約50年間作られていないことを挙げています。
さらに踏み込んだ説明もしています。
「映写機の完全な製造図面も失われ、システムの全体像を理解している者もほとんどいない」
2000年代以降にデジタル映写機への転換が進んだ結果、フィルム機材の生産も、扱える技術者も激減したという背景があります。作りたくても作れない、直せる人も少ないという状態です。
IMAX社は既存の映写機を修復・再生する方針で対応しており、ゲルフォンド氏は「今後も増やしていくことはできる」「新しい映写技術の検討を含め、あらゆる可能性を模索している」とも述べています。
日本はデジタル起点でIMAXが普及したため、旧フィルム設備の修復基盤がほぼ存在しません。すぐに日本で70mm上映が始まる状況ではなさそうです。
IMAXが取れない場合は35mmフィルム版という選択肢もある

池袋も大阪も遠い、あるいは希望の回が埋まっているという方に、もう一つ知られていない選択肢があります。
109シネマズプレミアム新宿のシアター8で、35mmフィルム版が上映されています。9月10日19時に先行上映が行われ、11日から本上映に入りました。
IMAXの巨大スクリーンとは方向性が違いますが、フィルムならではの質感で観るという体験は、デジタル上映では得られないものです。全編IMAXフィルムカメラで撮られた作品を、フィルムで観るという選択になります。
オッペンハイマーのときも複数フォーマットで観比べられていた
この「どの形式で観るか」という悩み方には、前例があります。ノーラン監督の前作『オッペンハイマー』です。
映画.comは当時、IMAXレーザー・Dolby Cinema・35mmフィルム・通常DCPの4フォーマットを制覇したレポートを出しています。そこでのIMAXの描写が、今回の参考になります。
「全てがパキッとエッジが立ったクリアな映像」
アスペクト比は1.43:1のスクエア形式で、登場人物のアップでは頭頂部から顎まで余すところなく映る
爆発音などの低音の響きは他を圧倒し、床やシート背もたれまで振動が伝わる
同レポートの結論は、迫力優先ならIMAX、繊細さ重視ならDolby Cinema、贅沢感なら35mm、複数回観るなら通常DCPというものでした。
『オッペンハイマー』でIMAXカメラ撮影だったのは一部のシーンだけでしたが、今回は全編です。1.43:1で「頭頂部から顎まで映る」状態が172分続くと考えると、体験の密度が想像できるはずです。
なお上映スケジュールや対応形式は劇場側の判断で変わることがあります。チケットを取る前に、各劇場の公式サイトで最新の上映形式を確認してください。
オデュッセイアIMAXの劇場選びに残る疑問
現時点で分かっているのは、全編1.43:1で観られるのはグランドシネマサンシャイン池袋と109シネマズ大阪エキスポシティの2館だけであること。池袋は18.9m×25.8mで常設の商業映画館として国内最大、大阪エキスポシティは西日本唯一だということ。そしてIMAX 70mmフィルム上映はアジアに1館もないということです。
一方で分かっていないこともあります。1.43:1上映がいつまで続くのかは劇場ごとの判断で、上映終了の時期は公表されていません。また日本にIMAX 70mm上映館が将来できるのかも、IMAX社が「可能性を模索している」とする以上の情報は出ていません。
172分という上映時間の作品を、どの画角で、どの劇場で観るか。オデュッセイアのIMAX上映をめぐる続報にも関心が集まっています。
新情報が入り次第、追記します。

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