ジョニー・デップの復帰交渉が報じられる一方で、デップがパイレーツ6でなぜ脇役なのかという疑問が広がっています。主演はマーゴット・ロビーとされ、ジャック・スパロウは中心から外れる見通しです。ここではデップが脇役とされる理由について、海外報道と本人の過去の発言から分かる範囲を整理します。
デップがパイレーツ6で脇役とされるのは物語の軸が変わったから

先に答えを書きます。デップがパイレーツ6で脇役とされているのは、新作がジャック・スパロウを主人公にした続編ではなく、別の人物を軸にした新しい物語として企画されているためです。
Deadlineは2026年8月16日、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーがデップとの交渉を認めたと報じました。ただし同時に、別のソース情報として新作はマーゴット・ロビー演じる新主人公が中心で、ジャック・スパロウは脇役として登場する方向だと伝えています。
THE RIVERや映画.comも「主役は交代へ」という見出しでこの内容を報じました。つまりデップの復帰交渉は「主演として戻す交渉」ではなく、「新しい主人公の物語に、どう登場してもらうかの交渉」ということになります。
新作の軸は「スパロウの息子」と伝えられている

では、その新しい物語とは何なのでしょうか。
映画情報サイトのWorld of Reelは2026年2月時点で、リブート版の脚本を『1917 命をかけた伝令』のクリスティ・ウィルソン=ケアンズが手がけていると伝え、物語はジャック・スパロウの息子と、マーゴット・ロビー演じる新キャラクターを中心に据えたものになるとしていました。
スパロウの息子という設定が事実であれば、デップの立ち位置は自然と決まります。物語を動かすのは次の世代で、ジャック・スパロウは血のつながりを説明し、世界観を引き継がせる役どころになるからです。
これは日本語のニュース記事ではほとんど触れられていない部分です。ただしディズニーが公式に発表した内容ではなく、あくまで海外メディアの報道である点は押さえておく必要があります。
マーゴット・ロビー版は2020年から動いていた別企画だった
もうひとつの理由は、時系列にあります。
マーゴット・ロビー主演の企画は、今回のデップ復帰交渉より6年も前から動いていました。2020年に発表された女性主人公版で、脚本はクリスティーナ・ホドソンが担当していたものです。
つまり順序が逆なのです。デップの復帰が先に決まって配役を考えたのではなく、ロビー主演の企画が先にあり、そこにデップをどう組み込むかという話が後から出てきたという構図になります。
ブラッカイマーはD23での発言の中で、複数あった脚本が1本に絞られたことに触れています。並走していた企画が統合される過程で、ロビー版が軸として残ったと見るのが自然です。
デップは2018年にシリーズを外れており復帰の話ではなかった
そもそもデップは、すでに一度シリーズから離れています。
2018年、デップがパイレーツシリーズから外れると報じられました。デップ自身は2022年の法廷で、自分は「解雇された」という認識を述べています。無実を証明する機会を得る前に契約を打ち切られたことへの戸惑いも語っていました。
その後ブラッカイマーは2022年、Varietyの取材に対してデップの復帰について「現時点ではない」と答えています。シリーズはデップ抜きで再構築する方向で長く進んできたわけです。
その流れの中で組まれた企画に、今になってデップを戻す話が出ている。脇役という形になるのは、企画の成り立ちからすれば自然な帰結とも言えます。
デップ自身は「パイレーツ6の脚本を書く話が来ていた」と語っていた
デップ本人が、まったく違う構想を持っていたことも分かっています。
2022年4月25日、アンバー・ハードさんとの裁判の証言でデップはこう述べていました。
「実のところ、私はパイレーツ6の執筆に加わらないかと打診されていました。私の思いとしては、これらのキャラクターにきちんとした別れを迎えさせてやるべきだ、というものでした」
デップは、シリーズは適切な結末を迎えるべきだと考えており、やめどきが来るまで続けるつもりだったとも語っています。
自分で脚本を書いてジャック・スパロウに幕を引く——これがデップ側の構想でした。今回報じられている「新主人公の物語に脇役として登場する」という形とは、方向がまったく違います。この落差が、ファンの間で反発が起きている理由の一つと言えそうです。
デップ側の条件は「脚本を承認すれば」だとされる
交渉がまとまるかどうかの鍵も、ここにあります。
ブラッカイマーは以前、エンターテインメント・ウィークリーに対して、デップは脚本を承認すれば役を演じ直すことに前向きだという趣旨を語っていたとされています。
デップは2022年4月の法廷で、ハードさん側の弁護士から「3億ドルとアルパカ100万頭を積まれてもディズニーと『パイレーツ』をやることはないか」と問われ、「その通りです」と答えていました。当時の姿勢から4年で交渉のテーブルに戻ってきたことになります。
金額ではなく脚本次第という条件であれば、脇役という扱いをデップがどう受け止めるかが交渉の焦点になります。ブラッカイマーが「うまくまとまってほしい」という言い方をしているのも、まだ着地していないことの表れでしょう。
同じ読みは、海外のファンからも出ています。ComingSoonが今回の報道を受けたX上の反応を紹介していますが、その中には交渉の構造を的確に言い当てた投稿がありました。
「ブラッカイマーは、キャプテン・ジャック・スパロウなしのパイレーツが実質的に死んだフランチャイズだと分かっている。だがすべては脚本の質次第だ。ディズニーとのあれこれの後で、デップが手軽な懐古商法のためだけにサインするはずがない」(@Winnie115z)
「脚本の質次第」という見方が、プロデューサー側の発言とファン側の読みで一致している形です。デップが脇役という条件を受け入れるかどうかも、結局は脚本の中身にかかっているということになります。
海外ファンは2020年の時点から「デップなしなら観ない」と反発していた
デップの扱いをめぐるファンの反発は、今回が初めてではありません。
2020年にディズニーが女性主人公版の企画を発表した際、海外ファンからは「デップがいないなら観ない」という反応が起きたと伝えられています。Change.orgでは「ジョニー・デップにキャプテン・ジャック・スパロウを返してほしい」という趣旨の署名が立ち上がり、CBRの報道によりますと50万筆を超える署名が集まりました。
今回、ロビー主演でデップは脇役という報道が出ると、海外メディアは再びファンの分断を伝えています。ComicBook.comは「脚本すらまだない段階で、ロビーの新しい役がすでにファンを二分している」と報じました。
X上の反応も割れています。ComingSoonが拾った投稿には、復帰を歓迎する声がある一方で、期待させられることへの警戒もありました。
「黙ってくれ!! 感情をもてあそばないでほしい」(@MondoMonroeØØ)
「キャプテンがついに海へ戻る! 最高のニュースだ。彼がいないとこのシリーズは同じじゃない。ラムを持ってこい!」(@Oluwachester)
歓迎する側も「彼がいないと同じじゃない」と書いている点が示唆的です。ファンが求めているのはジャック・スパロウが物語の中心にいる作品であって、脇役としての顔見せではない、という空気が読み取れます。
「フランチャイズの進化」という手法への批判も出ている
映画系メディアからは、ディズニーの手法そのものへの批判も出ています。
Cosmic Book Newsは今回の構図を、次のようなパターンだと指摘しました。
「観客が実際にお金を払って観たかったキャラクターを呼び戻し、物語の端に押しやり、映画はスタジオが選んだ新しい主役に渡す。そして古い名前は宣伝のために残しておく」
同メディアは「フランチャイズの進化」という言葉が『スター・ウォーズ』『インディ・ジョーンズ』『マーベル』『ドクター・フー』でも繰り返し使われ、いずれも期待した成果を上げられなかったと指摘しています。
これは意見系メディアの論調であって事実の報道ではありません。ただ、デップが脇役になることへの反発が、単なるファン心理だけでなく「同じ手法の繰り返しではないか」という文脈で語られていることは押さえておきたい部分です。
新CEO体制でパイレーツが優先案件になったとの見方がある
企画が動き出した背景として、経営体制の変化を挙げる見方もあります。
ディズニーは2026年2月3日、パーク部門トップだったジョシュ・ダマロ氏を次期CEOに指名したと発表し、同年3月18日付でボブ・アイガー氏から交代しました。World of Reelは、パイレーツの新作企画が新CEOの下で優先案件に位置づけられたと伝えています。
長く止まっていた企画を動かすうえで、デップの名前が持つ集客力を無視できなかったという見方もできます。脇役でも名前を出したい側と、主演でなければ意味がないと考えるファン。その間で交渉が続いている状況です。
デップの脇役起用に残された疑問
現時点で分かっているのは、パイレーツ6がマーゴット・ロビー演じる新主人公を軸にした物語であること、その軸にスパロウの息子という設定が伝えられていること、そしてデップの復帰は交渉段階にとどまっていることです。
一方で、答えの出ていない点も残っています。デップが脇役という扱いを受け入れるのか、出番がどの程度になるのか、スパロウの息子を誰が演じるのか。いずれも公表されていません。ディズニーがロビー主演という形を最後まで維持するのかも未確定です。
ジャック・スパロウにきちんとした別れをと語っていたデップが、脇役としての登場をどう判断するのか。パイレーツ・オブ・カリビアン6の続報にも関心が集まっています。
新情報が入り次第、追記します。
パイレーツ6公開はいつ|ジョニー・デップ復帰交渉|パイレーツ・オブ・カリビアン6では、映画公開時期について考察しています。ぜひご覧ください。

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