「ママ、友だちできない…」異国で悩む子どもと親の本音の会話記録

友人・人間関係
ニーチェ
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この記事は実際に海外で子育てをした私の母が執筆しました!

アメリカでの生活は、毎日が新しい発見の連続です。スーパーに並ぶカラフルなシリアル、見たこともないサイズのピザ、笑顔でハグをしてくれる店員さん……。

そんな刺激に満ちた日々の中で、私がいちばん心を砕いたのは、娘の「友だち関係」でした。

日本では自然にできた友だちも、アメリカではなかなか距離が縮まらない。特に娘は中学生という多感な時期。小学校のころのように「遊ぼう!」だけでは関係が築けません。言葉の壁も重なり、娘は日ごとに元気を失っていきました。

言葉の壁にぶつかった初日

渡米して2週間ほど経ったある日、学校から帰ってきた娘が、バックパックをリビングに放り出し、私の方を見もせずにこうつぶやきました。

「……やっぱり、友だち、できないかも。」

その声はかすれていて、まるで一日中喉の奥に飲み込んでいた不安を、ようやく吐き出したかのようでした。

私は動揺を隠しながら、「今日は何かあったの?」とだけ聞きました。

娘:「うん……話しかけても、何言ってるかわかんないって顔されるの。こっちが言ってることも、たぶん変なんだと思う。」
私:「そっか。悔しいよね。でも、話しかけられただけですごい勇気だよ。」

彼女の目に、うっすら涙が浮かんでいました。私はその日から、毎晩「10分会話タイム」をつくることを決めました。

その日の出来事を一緒に振り返り、失敗も恥ずかしさもそのまま話せる時間

10分だけなら、寝る前の気持ちの整理にもなり、娘も「じゃあ今日の愚痴ね」と言いながら、少しずつ心を開いてくれるようになったのです。

ニーチェ
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渡米してすぐは、英語ができなかったので友達もなかなかできませんでしたが、母との10分はかけがえのない時間でした

仲間外れにされたショック

数週間後、娘の元気がまた目に見えて減ってきました。食卓でも無言。スマホを握ったまま、画面を見つめて固まっています。

理由がわかったのは、数日後の夜でした。

娘:「○○の誕生日パーティー、みんな行ってたんだよ。でも、私、誘われなかった。」

その声には、怒りというよりも、「どうして?」という戸惑いと寂しさが混じっていました。

私:「それは悲しいね。気づかないうちにみんなが集まってたって、ショックだよね。」
娘:「なんか……仲間外れにされてる感じがする。」

娘の手をぎゅっと握りながら、私は答えました。

私:「あなたが悪いわけじゃないと思うよ。言葉の壁だってあるし、相手もどう接していいか迷ってるだけかも。」

娘は「……そうかな」とつぶやきましたが、まだ半信半疑の様子でした。

そこで翌朝から、私たちは「Hi練習」を始めました。鏡の前で、笑顔の角度までチェックして「Hi!」「Hey!」を交互に言う。

最初の一週間は無反応でしたが、ある日「Hey!」と返してくれる子が現れたとき、娘は小さな声で「今日、初めて返してくれた」と報告してくれました。

そのときの、少しだけ自信を取り戻した表情は忘れられません。

日本と違う“友情”の距離感

日本では「いつも一緒にいる=親友」という感覚が強いですが、アメリカでは「その場でフラットに楽しむ」という距離感が主流です。

ある日、娘がふてくされた顔で帰ってきました。

娘:「昨日すっごく仲良く話した子、今日は全然しゃべってくれなかった。」
私:「それってびっくりするよね。でも、アメリカの子って“その日の気分”で態度が変わることも多いみたいだよ。」
娘:「なんか、日本と違うよね。」
私:「うん。でも逆に、いろんな人と仲良くなるチャンスがあるんじゃない?」

その会話から少しずつ、娘は「この子と一生親友でなきゃ!」という考えを手放し、「今日は誰と話せたかな」という視点で日々を振り返るようになっていきました。

ニーチェ
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慣れてしまうと、このフラットさが楽になります笑

親ができるサポートとは?

子どもの友人関係に親が直接口を出すのは難しい。でも、話を聞くことはできる。

私が意識したのは、次の3つです。

解決策を押しつけない
つい「こうすればいいのに」と言いたくなるけれど、まずは「それはつらいね」と受け止めること。とり”そのものが、子どもの心の回復を支えてくれていたように思います。

話すタイミングは娘に任せる
「今日どうだった?」と詰め寄るのではなく、娘が話し始めるのを待つ。

自分の失敗談もあえて話す
私自身も中学生のころ「グループに入れなかった」とか「転校して孤独だった」といった体験を語り、娘が「私だけじゃない」と思えるようにしました。

まとめ:悩みも成長の一部として

アメリカでの友人関係の壁は、決して娘だけの問題ではありません。むしろ、その壁を越えようとする過程そのものが、異文化理解や自己肯定感を育てる力になっていると感じます。

そして何よりも、毎晩10分だけでも「気持ちを言葉にする時間」を持つことで、娘の心は少しずつ軽くなっていきました。

海外生活は挑戦の連続。でもその小さな会話の積み重ねが、娘の心を少しずつ強くしてくれたと信じています。

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