アメリカに移住して驚いた文化のひとつが、ホームパーティーや子どもの誕生日会の多さと、そのカジュアルさでした。日本では誕生日といえば家族で過ごすか、近しい友人と少人数で祝うのが一般的ですが、アメリカでは「パーティーは社交の一部」として子どもの生活の中に溶け込んでいます。
本記事では、アメリカで実際に体験したホームパーティーや誕生日会について、準備・マナー・トラブル・親としての関わり方など、具体的なエピソードを交えながらご紹介します。海外生活を始めたばかりの方や、これから参加予定の方に少しでもお役に立てれば幸いです。
初めてのホームパーティー参加で戸惑ったこと

渡米して間もない頃、同じクラスの子どもが「明日うちでパーティーするから来てね!」と話してきました。
招待状は紙じゃない?
日本では紙の招待状や口頭の案内が一般的ですが、アメリカではEvite(イーバイト)やPaperless Postといったメールやアプリでの招待が主流。最初は「これって本当に正式な招待?」と戸惑いましたが、返信機能もあり、人数管理までできる優れものです。
手土産やプレゼントの相場感
- 子どもの誕生日会:$10〜20程度のおもちゃや文具が定番
- ホームパーティー(家族同士):ワイン1本や焼き菓子など、$10〜15程度のギフト
迷ったときは「何か持っていった方がいい?」とホストに気軽に聞くのが◎。失礼にはなりません。
アメリカの誕生日会、ここが違う!

誕生日会は子どもにとって一年で最も大きなイベントのひとつ。特に小学生までは盛大に行うのが主流です。
実際の体験談①:初めての外部施設バースデー
息子が招かれたのは、屋内トランポリン施設で開かれた誕生日会。30人近くの子どもたちが招かれ、みんなで遊んだ後にピザとケーキ。最後に「Goody Bag(お土産袋)」をもらって解散。親も送迎のみで、中には会場にも入らず車で待っている人もいました。
実際の体験談②:自宅開催の誕生日会
娘のクラスメイトの誕生日でお邪魔したのは、装飾たっぷりの自宅ガレージ。テーブルにはテーマに沿った飾り付け(例:ユニコーン、恐竜、ディズニー)、手作りのゲームやフェイスペイントコーナーまであり、まさに“イベントプロ並み”の演出。
開催する側になって気づいたこと

わが家も数年後には「せっかくだから自宅で誕生日会をしてみよう!」と挑戦。
親の準備リスト:
- 招待リストの作成と送信(2〜3週間前)
- テーマ決定と装飾購入(Party CityやTargetが便利)
- ゲームやアクティビティの計画(ピニャータ、宝探しなど)
- 軽食やケーキの手配(Costcoで注文が楽)
- Goody Bagの準備(文具やキャンディを少しずつ詰める)
トラブル経験:
時間になっても全員が来ない!ある子は開始時刻から1時間遅れて到着。こちらは時間通りに全て進行するつもりでいたので焦りました。アメリカでは「多少の遅刻は普通」という感覚があるようで、これはカルチャーショックでした。
ホームパーティーと人間関係
パーティーは、単なるお祝いの場ではなく親同士のネットワーキングのチャンスでもあります。子どもを送っていくだけでなく、少し立ち話をするだけでも、「顔の見える関係」が築けて安心につながります。
体験談:
「誕生日会で話しかけてくれたママと後日コーヒーに行くように」なったことも。アメリカでは“社交的な親”が歓迎されやすく、壁をつくらないオープンな姿勢が重視される傾向です。
文化の違いを楽しむコツ
- 完璧を目指さない:手作りでなくてもOK、市販のピザやケーキで十分
- 安全第一:食物アレルギーには注意。事前に確認を
- 子どもが主役:親の見栄ではなく、子どもが楽しめる内容を最優先に
日本人同士のパーティー事情
現地で知り合った日本人家族同士で集まることもあります。この場合は、少し日本的な感覚(時間通り、丁寧なやり取り)も入り混じるため、バランスが求められます。
ただ、おにぎりや唐揚げを持ち寄ったり、折り紙コーナーを用意したりと、「日本らしさ」を楽しめる貴重な機会でもあります。
おわりに:パーティー文化は“生きた英語”と“自信”の宝庫
アメリカのホームパーティーや誕生日会は、単なるイベントではなく、子どもたちにとって社交性や表現力を育む大切な舞台でもあります。
親にとっても、子どもの成長や人間関係の広がりを見守りながら、文化の違いを柔軟に楽しむ絶好のチャンスです。
最初は戸惑うことも多いですが、「失敗してもいい」「笑顔が一番のコミュニケーション」と思って、一歩踏み出してみてください。
きっと、家族の思い出になる素敵な時間が待っているはずです。
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