2026年5月23日(現地時間)、第79回カンヌ国際映画祭で岡本多緒(41)が日本人初の女優賞を受賞しました。彼女の夫であるテンジン・ワイルド(Tenzin Wild)は、スイス人の父とチベット難民の母を持つファッション誌「The Last Magazine」の創刊者・クリエイティブディレクター。ナイキ・ジバンシィ・ユニクロなどを手がける敏腕編集者でありながら、妻と共にチベット発のアウターウェアブランドも経営する異色の経歴の持ち主です。
テンジン・ワイルドのプロフィール

テンジン・ワイルドはスイス生まれのファッション編集者・クリエイティブディレクター。スイス人の父とチベット人の母(難民)の間に生まれた国際的なバックグラウンドが、彼のクリエイティブの核にあります。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 氏名 | テンジン・ワイルド(Tenzin Wild) |
| 出身地 | スイス(生まれ育ち) |
| ルーツ | 父:スイス人 / 母:チベット人(スイス移住の難民) |
| 職業 | ファッション編集者・クリエイティブディレクター |
| 設立メディア | The Last Magazine(2008年共同創刊) |
| 設立ブランド | Abode of Snow(2020年・妻と共同設立) |
| 妻 | 岡本多緒(TAO)|女優・元スーパーモデル |
| 結婚 | 2016年5月1日 |
| 挙式場所 | スイス南部マジョーレ湖のブリッサゴ島 |
テンジン・ワイルドの生い立ち——チベット難民の母を持つスイス育ち
テンジンの母親は1950年代の中国によるチベット侵攻を逃れてスイスに移住した難民の一人です。スイスで生まれ育ったテンジンは、2005年に初めてチベットを訪れ、その文化と美しさに深く感銘を受けました。
テンジン・ワイルドの母親は、1950年代に中国がチベットを侵略した際、弾圧を逃れるためスイスに移住したチベット難民の一人です。スイスに移住した最初の難民グループの一人でもあったとされます。
テンジン自身はスイスで生まれ育ちましたが、2005年に初めてチベットを訪問。「その土地や文化の美しさに深く感銘を受けた」と語っており、この経験がその後のキャリアに大きく影響しました。
WWDジャパンのインタビューでテンジンはこう語っています。「チベットといえば政治的な話題にフォーカスされがちですが、編集者としての経験を生かし、ファッションを通じて私のルーツであるチベットやヒマラヤの文化・伝統を伝えたいと思いました」。
テンジン・ワイルドのキャリア——「ヴィジョネア」「V Magazine」から独立創刊へ
「ヴィジョネア」「V Magazine」での経験を経て、2008年にマグナス・バーガーと共に「The Last Magazine」を共同設立。ナイキ・ジバンシィ・タサキ・ユニクロなどの著名ブランドの広告も手がけてきました。
テンジン・ワイルドのキャリアはファッション誌の最前線から始まります。著名なファッション誌「ヴィジョネア(Visionaire)」「V Magazine」でクリエイティブの経験を積んだ後、2008年にマグナス・バーガーと共同で「The Last Magazine(ザ・ラスト・マガジン)」を創刊しました。
「The Last Magazine」はファッション・アート・カルチャーを横断するプレミアムファッション誌として知られており、テンジンはクリエイティブディレクターとして方向性を担っています。誌面制作と並行して、ナイキ・ジバンシィ・タサキ・ユニクロなどの著名ブランドの広告プロジェクトも手がけてきました。
岡本多緒との「アボード・オブ・スノウ」——チベットの文化をファッションで伝える

2020年、テンジンは妻の岡本多緒と共に自身のルーツであるチベット・ヒマラヤにインスパイアされたアウターウェアブランド「アボード・オブ・スノウ(Abode of Snow)」を設立しました。
ブランド名の由来は、「ヒマラヤ」が古代サンスクリット語で「雪の棲家」を意味することから。それを英語に訳し「Abode of Snow」と名付けました。
テンジンはWWDジャパンのインタビューでブランドの理念をこう語っています。「ファッションを通じて私のルーツであるチベットやヒマラヤの文化・伝統を伝えたい」。ファッション誌の編集者として培ったビジュアルセンスと、チベット難民の母から受け継いだ文化的背景が融合したブランドです。
岡本多緒との馴れ初めと結婚
2人の馴れ初めは、岡本多緒が「The Last Magazine」にモデルとして登場したことがきっかけとされています。2016年5月1日にスイス南部のブリッサゴ島で挙式。ウェディングドレスは岡本多緒の親友でもあるデザイナー・フィリップ・リムがデザインしました。
岡本多緒(TAO)は1985年5月22日生まれ、千葉県市川市出身。14歳でモデルデビューしパリ・ミラノ・ニューヨークのコレクションで活躍した世界的スーパーモデルです。「The Last Magazine」にモデルとして登場したことが2人の出会いとなったとみられています。
2016年5月1日、スイス南部マジョーレ湖のブリッサゴ島で挙式。この島はイタリア国境にも近い美しい場所で、アムステルダムで式を挙げたとの情報もあります。岡本多緒の親友でもあるデザイナー・フィリップ・リムがウェディングドレスをデザインしたことでも話題になりました。
岡本多緒のカンヌ受賞——夫妻の快挙の瞬間
2026年5月23日(日本時間24日未明)、岡本多緒が第79回カンヌ国際映画祭でビルジニー・エフィラとW受賞。日本人初のカンヌ女優賞受賞という歴史的な快挙を達成しました。
受賞作品は濱口竜介監督の「急に具合が悪くなる」。哲学者の宮野真生子さんと人類学者の磯野真穂さんが病や命について交わした往復書簡を原作に、パリ郊外の介護施設のディレクター(エフィラ)とがんを患う演出家(岡本)の交流を描いた作品です。
授賞式の登壇スピーチで岡本多緒は「私が今日ここに立っているのは、濱口さんという素晴らしい監督のおかげです。夢を超えています」と感激を語りました。テンジンが長年支えてきた妻の快挙に、SNSでは「夫婦揃って世界レベル」「テンジンかっこよすぎ」という声が続出しています。
まとめ
スイス人とチベット難民の間に生まれ、世界的なファッション誌を立ち上げ、妻と共にチベット文化をファッションで伝えるブランドを経営するテンジン・ワイルド。そのパートナーである岡本多緒が2026年のカンヌで日本人初の女優賞を受賞したことで、2人の名前は一気に世界に広まりました。異なる文化的背景を持つ2人が共に歩むストーリーは、映画のような人生そのものです。
本記事はWWDジャパン(テンジン・ワイルドインタビュー)、シネマトゥデイ、NHKニュース、デイリースポーツ、芸能アイランドの情報をもとに作成しています。

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